【ネタバレ】『ラスト・シフト/最後の夜勤』カルト・ファミリーの狂気

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「ラストシフト」


予告編

映画 『ラスト・シフト / 最期の夜勤』 公式予告

編集部評価

総合評価:★★★★☆

ギミック:★★★★★
様式美:★★★★☆
不気味さ:★★★☆☆
ストーリー:★★★☆☆


あらすじ

 新米警官のジェシカ。初出勤は旧庁舎の宿直。電話は全て新庁舎に転送されるはずだったが、なぜか一本の電話がかかってくる。電話からは少女の声が。「監禁されたの」その電話を皮切りに、様々な怪現象がジェシカを襲う。その怪異の正体は、銃撃戦で死亡したはずの犯罪カルト・グループ、ペイモンズの霊だった。ジェシカは亡き父の記憶を胸に戦うことを決めるが…。

編集長の一言

夜勤前に見たら仕事に行けなくなります。

小世の関連作品のすすめ

お勧めしたいのは、『アメリカンホラーストーリー』のシーズン7『カルト』。物語の中心人物カイのモデルとなっているのは、チャールズ・マンソンを始めとしたカルト団体の教祖たち。そこにピエロやトライポフォビア(密集恐怖症)、陰謀論など、気持ちの悪いものを詰め込んだ都市伝説要素の濃厚なシーズンです。



みどころ

①警視庁舎×犯罪カルト


警視庁旧庁舎
   ×
犯罪カルト・ファミリーの亡霊

この取り合わせは斬新。

眼が痛くなるほど明るい照明。
シンプルで堅気な、警官のデスク。
フレッシュな新任の女警官。

しかし一度光が消えると、庁舎は異形の犯罪者たちが闊歩する地獄に一変する。

清潔感や正義などを司る聖域が、裏を返したら最も邪悪な場所にもなりうる。この雰囲気は、病棟系のホラーにも似ている。
表裏のめまぐるしい転換が与えるとびきりの不穏さが味わえる作品だ。


②ギミックがしっかり

もう一つの特徴は、ギミックの質の高さ。

特に、明るいシーンに描かれた怪異が秀逸。

蛍光灯の白がこんなに不気味だと思ったことはない。

途中一人の男性警官が主人公を助けに来てくれるのだが・・・。

都市伝説的なひねりが効いていて、僕は思わずうなってしまった。

特別新しい表現というわけではないが、ジャンプスケアに飽きて乾いていた心が、少し癒える。そんなギミックがいくつか登場する。


③絶望のラスト

主人公のジェシカは、善良な優等生警官。

「警察官の務めは市民の生命と資産を守り、詐欺や暴力、混乱を排して平和を維持すること・・・自由と平等、正義のために市民の権利を尊重する・・・」

不安な時は警官の責務をマントラのように唱え、責任感の塊のようなジェシカ。

そんな彼女が、どうしてこんな目に…?

ツイストの効いたラストを見たら、絶望感に包まれるに違いない。




レビュー

※ここからはネタバレなので、要注意。


新米警官のジェシカ。

彼女の初出勤は、警視庁旧庁舎の宿直だ。

「君は、この旧庁舎で最後の宿直をする幸運な新人だ」

電話は全て新庁舎に転送される。

彼女の仕事は、深夜に来る廃品回収業者の対応をするだけ。

部長は「留置所には近づくな」とだけい残し、去って行ってしまう。


シフトが始まると、電話がなった。

電話は新庁舎に転送されるはず・・・。

受話器からは、若い女性の荒い息遣いとおびえた声が聞こえる。

「監禁されてるの」

モニカと名乗る少女を救おうとするが、電話は急に切れてしまう。

この電話を境に、怪奇現象が起き始める。

食事に混入した長い髪の毛

侵入する浮浪者

黒い汚物に壁までまみれたトイレ


そんな中、ジェシカはロッカーで1枚の写真を見つける。

それは幼いころの彼女と父の写真だ。

ジェシカの父は警官で、ペイモンズという犯罪カルト・ファミリーとの銃撃戦で命を落としていた。

席に戻り、ふと天井見上げると、そこには「SAW(雌ブタ)」と落書きが。

この旧庁舎には、確かに誰かがいる…。



旧庁舎の外で一人の娼婦がタバコを吸っているのを発見するジェシカ。

話しかけると、彼女はペイモンズがここに収監されていた時、自分も隣の監房にいたと語りだす。

収監・・・? ペイモンズは、父との銃撃戦で現場で死んだはず。

「一体何の話?」

「ペイモンズというマンソン・ファミリー気取りのやつらが、少女を虐殺したの、知らない?」

「ペイモンズは現場で死んだ」

「それは嘘よ。彼らはここに収監されて、寝具で自殺したの」

この旧庁舎は、ペイモンズの最期の場所だったのだ。


署に戻ると、また鳴るはずのない電話が鳴り響く。

「みんな殺された」

モニカだ。

「あなたの苗字は?」

「ヤング」

「ここじゃ助けられないの。逆探知をするから911に電話して」

「無理よ。見つかっちゃう。やつらが来る・・・!」

また電話は途中で切れてしまう。

新庁舎に問い合わせると、モニカ・ヤングは既に死亡しているという。しかも、ペイモンズの事件で…。


異常な現象が続くが、まだ半信半疑のジェシカ。

そんな中、プライスという巡査がモニカの様子を見に来る。

ジェシカは、それまでの現象は先輩警官たちによる新人イジメだったのだと気づく。

「完全に騙されたわ。よくできた仕掛けね」

「何のことだ。僕は君の様子を見に来たんだ」

「いつも新人をお化け屋敷で歓迎するの?」

二人は談笑で盛り上がる。

緊張が解けたところで、ジェシカはブライスに聞く。

「本当のところは、何をしに来たの?」

「実は君に挨拶をしにきたんだ。君のお父さんとは知り合いで。ペイモンズとの銃撃戦に居合わせたんだ。君のお父さんと、併せて二人が死んだ。」

「君のことをいつも自慢してたよ」

父の話を聞き、ジェシカは胸が熱くなる。

「困ったことがあったら、すぐに電話してくれ」

そう言って振り返ったブライス巡査の後頭部は、弾丸でぐちゃぐちゃになっていた。

彼こそ、銃撃戦で死んだ、もう一人の男だったのだ。


このあたりから、本格的にペイモンズの霊が動き始める。

あまりの恐怖に、ジェシカは新庁舎の部長へ電話をして頼み込む。

「妙なものが見えるんです」

しかし長官は父の名を出し、ジェシカを脅す。

「無人の署の宿直さえ満足にこなせないのか。父上には似ていないようだな。君は辞職ということになるがいいのか。」

「宿直を続けます・・・」


全部幻覚なのだと自分に言い聞かせ、宿直に戻るジェシカ。

しかし、ペイモンズの残党に襲われてしまう。

残党は、カルトのリーダーを褒めたたえると、自ら銃で頭を打ち抜き死んでしまう。幻覚なのか、それとも現実の人間なのか、もう判別がつかない。

ジェシカに次々と襲い掛かるペイモンズの霊。

ジェシカは必死に逃げようとするが、そこへ死んだ父から電話がかかる。

「ジェシカ、奴らが来る。阻止しろ。なんとしてもだ」

電話が切れると、玄関に侵入者が現れる。

どうやら彼らは幽霊ではなく、生身の人間のようだ。

「ペイモンズの霊はわれらとともにある」

ペイモンズの残党たちが、リーダーの遺品を回収しにきたらしい。

父の言葉に勇気を取り戻し、必死に抗戦するジェシカ。

一人、また一人残党たちを片付けていく。

ところが、最後の一人を撃った次の瞬間、ジェシカは駆け付けた上官に撃たれてしまう。

「部長・・・どうして」

かたわらの死体を見ると、それはペイモンズの残党などではなく、ただの廃品回収業者だった。

「そんな・・・彼じゃない。こんなはずじゃ・・・」

ジェシカは、廃品回収業者を皆殺しにしてしまったのだ。

朦朧とする意識の中、ジェシカはペイモンズへの讃美歌を口ずさむのだった。


twitterで感想を語り合おう。

ではまた次回、お会いしましょう。

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