ブラムハウスが『暗闇にベルが鳴る (原題:Black Christmas) 』リメイク版のポスターを発表した。
1974年に公開の『暗闇にベルが鳴る』は、当時オリヴィア・ハッセーが出演したことで話題を集めたスラッシャー・ムービー。 スラッシャーの古典といえば『ハロウィン』だが、それに先駆けること4年、動機不明の殺人鬼を描いた真のスラッシャーの祖と呼ばれる名作だ。
内容は、アメリカの有名な都市伝説「ベビーシッターと二階の男」をベースにしたもの。
「ベビーシッターと2階の男」
ある夫婦がベビーシッターを雇った。その夫婦は、「私たちは夜遅くに帰る。もう赤ん坊はねているから起こさないように。」と告げ、ディナーに出かけて行った。
ベビーシッターがリビングで宿題をしていると、電話がかかってきた。ボーイフレンドだと思って受話器を取ると、聞きなれない男の声がした。
「赤ん坊を見たか」
そういうと電話は切れてしまった。雇い主かと思ってレストランに電話をしたが、既に二人はレストランを後にしていて確認が取れない。するとまた数分後、電話がかかり、不気味な声でこう言った。
「赤ん坊を見たか」
不審に思ったベビーシッターは警察に電話したが、ただのいたずら電話だと言って取り合ってくれない。電話をきるとまた電話が鳴る。
「なぜ赤ん坊の様子を見に行かない」
自分の行動が見られていると思いゾッとした彼女は、警察に懇願した。「助けてください。身の危険を感じるんです。」すると警察は逆探知をするからもう一度電話をとるよう彼女に伝えた。電話を切ると、彼女は自分の姿が外から見えないよう、照明を消した。すると再び電話がかかってきた。
「電気を消したな。でもお前の姿は丸見えだ」
彼女はパニックに陥り、なぜこんなことをするのか聞いた。すると、しばしの沈黙の後、声は答えた。
「……お前の血が欲しいのさ。」
彼女は恐怖の中、電話を切った。また電話があったが、怖くて取ることができない。しかしベルは鳴りやまず、やっとのことで受話器を取ると、それは警察だった。
「ジェーンさん、今すぐ逃げてください。その電話は、あなたのいる家の2階からかけられています!!」
彼女が驚いて2階を見やると、刃物を持った男が現れるのが見えた。ベビーシッターは命からがら逃げだした。男は彼女を追いかけたが、駆け付けた警察が男を取り押さえた。捕まった男の服は、血で赤く染まっていた。そう、赤ん坊の血で……。
この都市伝説をもとにしたホラー映画は他にも『夕暮れにベルがなる』、そしてそのリメイクである『ストレンジャー・コール』があり、これらの映画は内容的な血縁関係にある。
なお、同作は2006年にオリジナルの監督が製作を務めリメイクが作られているが、邦題は『ファイナル・デッドコール』。もうここから駄作だとわかる。
(『ファイナル・ディスティネーション』のグレン・モーガンが監督を務めているため、全く謂れのない邦題というわけではない……が、原題は“Black Chiristmas”でファイナル・シリーズとは何の関係もない。)
ポスターが打ち出している通り、ブラムハウスは近年、『ゲット・アウト』や『ハロウィン(2019)』など高評価の作品を多く輩出している。定番ホラーを量産するスタイルから足を洗ったブラムハウス。本作も、ただの名作コピー作品にはとどまらないであろう。ポスターのビジュアルは『ハッピー・デス・デイ』を彷彿とさせるアート性の高いものとなっており、映像にも期待ができそうだ。
アメリカでは12月13日公開予定。まず無理だと思うが、日本でもぜひクリスマスに間に合うよう公開してほしいものである。