【ソイヤッサッ】
巨神たちの唄を聴け
【ゴジラ-公式サウンドトラック】

§ Review
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先輩、ゴジラ見ましたか?

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』だね。見ましたよ。八重さんはそんなにゴジラに興味ないんでしたっけ。

でも、みんな音楽が良いっていうので気になって……。

 そう、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は、怪獣満天の映像もさることながら、公開当初からその音楽も注目を集めている。すでにサウンドトラックも発売されており、日本版は売り切れと大人気だ。

 映画音楽を担当したのは、『ハッピー・デス・デイ』や『10クローバーフィールド・レーン』といった数々の有名ホラーの音楽を手掛けた、ベアー・マクレアリー

 果たして、この映画の音楽の、なにが観客の心をつかんだのだろうか。




オーケストラと日本伝統音楽の融合

 まず特筆すべきは、そのアレンジ。ベースとなるオーケストラの“洋”のアレンジに、お経や祭男の掛け声などの“和”のテイストを織り込み、ジャパニーズ・エキゾチズムなサウンドとなっている。

 この音は、確実に日本が大好きな外国人の幻想の中の“ジャポン”だ。日本人には、逆に作れないのではないだろうか。そして、そんな幻想の中の“日本の音”が、めちゃくちゃいい。聞く者をわしづかみにし、怪獣が神の世界へと問答無用に連れて行ってくれる。誰もリアルな日本など求めていない。私たちが求めているのは怪物の眠る日本の都市ジャンジラなのだから。

 御託を並べても仕方ないので、なにはともあれ、まずは全編の音楽をかいつまんだレコーディング風景映像を見てほしい。

 祭男たちのハッソイヤッは、ゲイは耳が妊娠してしまうので注意。

僕は妊娠しました。

Godzilla KOTM – Making the Music – Bear McCreary (official)
この動画に全てが詰まっています

確かに……世界観がすごい。

涙が出そうになった人は素直に手を挙げてください。

 まず、キングギドラの登場シーンで流れる、般若心経。本来は“無の境地”へと至るためのマントラだが、ここではキングギドラという古代の悪魔の復活を祈る儀式かのような、サタニック(悪魔崇拝的)な雰囲気を醸し出している……良い。本作のテーマの一つが怪獣による神話体系の再構築であることを考えると、キングギドラと般若心境(無の境地)の取り合わせは、ニーチェが「神の死」を宣言して以来の、人間の「物語の喪失」を意味しているのかもしれない。

 それに対し、真っ向からぶつかるのが「ゴジラのテーマ」と祭男のソイヤッ!ゴッ!ジッ!ラッ!という掛け声である。これらの掛け声は神輿を担ぐときに放つもの。そう、新たな神の降臨を表しているのだ。しかしその神は唯一神ではなく、自然界を象徴する数々の神を従えた、多神教の主神である。その神の名はもちろん……。

ゴッ!ジッ!ラッ!!

ソイヤッサッ!



ハリウッド版ゴジラ初、オリジナル楽曲を採用

 先ほどの動画の冒頭でも流れている通り、この映画には『ゴジラのテーマ』ハッソイヤremixが使われている。伊福部昭の、誰もが知るこのテーマ、実は国外版の映画で使用されたのはこれが初めて。いくら金を積んでも、この曲を超えるものを一から作ることはできない。しかし、ベア・マクレアリーは大胆なアレンジでこの曲の新たな側面を見せてくれた。ハッ、ソイヤッ!

 そして偶然だろうか、伊福部昭の誕生日は5月31日。そう、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の公開日なのだ。

マクレアリーさん……結婚してください!

既婚ですね。

じゃあドハティさん……。

この人はゴジラと結婚してます。


また、モスラのテーマもオリジナルの古関裕而「モスラの歌」をエスニックにアレンジしたものが流れる。小美人たちの故郷インファント島の、モスラの潜む洞窟が目に浮かんでくるようだ。その本編での使われ方も素晴らしく、称賛を浴びている。



ブルー・オイスター・カルト ソイヤremix

Godzilla KOTM – Godzilla (feat. Serj Tankian) – Bear McCreary (Official Video)

 エンドロールで流れるロック。これはブルー・オイスター・カルトというハードロックバンドの1970年代の楽曲。前述のソイヤソイヤが入っているため、勝手にソイヤソイヤmixと呼んでいる(おそらくそんな名前ではない)。

 野球界の“怪獣”ことゴジラ松井がヤンキース時代のテーマ曲でもある。 原曲では、曲の途中で「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。ゴジラが九州の?に向かっております。大至急非難して下さい」 というつたないアナウンスが入る遊び心に溢れた楽曲だ。

Blue Oyster Cult – Godzilla
オリジナル 楽曲(ブルー・オイスター・カルト)

「ゴジラのテーマソングは、ふさわしいところにあるべき」

 最後に、ベア・マクレアリーのインタビューをご紹介しよう。

「 私が始める前に、マイケルと私が思いついた目標は、曲にクラシック映画の感性と現代の叙事詩的な感性を組み合わせることでした。この曲は、昔のスコアでもないし、現代的でもないんです。私の中の多くの個性が非常に奇妙に混じり合った組み合わせでもあります。全体的に見て、古典的な曲調を認めた上で、そのセンスをこの壮大なスケールの作品に取り込んでいきました。 」

「 私が強く感じていることの1つは、リブートやリメイクのこの時代には、オリジナルのテーマソングがカメオポジションに追いやられて、エンドクレジットあたりにチラッと追いやられてします。私はゴジラのテーマソングは、もっとふさわしいところにあると思う。私がこのスコアに組み入れた2つのテーマであるゴジラのテーマソングとモスラのテーマソングは、完全に作品に機能する曲として使用を決めたので、私のゴールは、その曲を効果的に使うことでした。 」

 



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参照:『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』劇中音楽メイキング映像解禁 ベア・マクレアリーのコメントも到着 – 紀伊民放


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