思春期のディラン・ミネットを全力で愛でる

「オープンハウスへようこそ」
(2018/アメリカ)

§ Review
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「オープンハウスへようこそ」

予告編

The Open House | Official Trailer [HD] | Netflix

編集部評価

総合評価/★★☆☆☆
ギミック:★☆☆☆☆
様式美:★★☆☆☆
不気味さ:★★☆☆☆


編集長の一言

とんでもない“オチ”にド肝を抜かれる。

小世の予習のおすすめ

同じホームインベーション系の映画では、ストレンジャーズシリーズ(「戦慄の訪問者」や、「地獄からの訪問者」)は良作ですので、比較の基準となるでしょう。また、もし鑑賞後に後味の悪さがあるのであれば「ドント・ブリーズ 」がしっかりオトしてくれます。




みんな大好き、ホームインベージョン

 本作は、家に誰かいる……いわゆる「家宅侵入(ホーム・インベージョン)」ホラーです。このタイプのプロットは、古くはオードリー・ヘプバーンの「暗くなるまで待って」が挙げられますが、「ハロウィン」や「スクリーム」で取り入れられてからはスラッシャームービーの定番となります。

我が家もハトのインベージョンに困っています。

2000年代に入ると「ストレンジャーズ」を皮切りに、家のみで繰り広げられるシチュエーション・スリラーがいくつも登場しました。

 特に、強盗に入ったはずが、家主の盲目のじーさんに逆に狩られるという「ドント・ブリーズ」は評価の高い作品です。また「サイレンス」は聾唖の女性が主人公の現代版「暗くなるまで待って」で、こちらも良作です。この2作は、NETFLIXで見ることができます。

 数あるホームインベージョン作品の中でも、「オープンハウスへようこそ」は問題作だといえるでしょう。理由はその“伏線の多さ”にあります。
 コンビニのちらちらと薄暗い照明、不意に現れる巨大な鹿、序盤はしっかりした雰囲気づくりができています。そんななか伏線をガンガン仕掛けてくるので、だれが犯人なのか、全然予想がつきません。途中までは、そもそもどのジャンルなのかさえわかりません。オカルトか、はたまたスラッシャーか。
 そして最後は、驚愕のオチが待っています。

「13の理由」のクレイ役が主人公

 主人公ローガンを演じるのは、NETFLIXオリジナルシリーズ「13の理由」でクレイを演じた、ディラン・ミネット。彼は「モールス」や「ドント・ブリーズ 」にも出演しており、ホラーのキャストとして常連になってきましたね。彼のほんの少し思慮のある若者の演技はピカいちです。
 今作でも、陸上競技に投入する寡黙な青年を演じます。冒頭のシーンから、父親をコーチに家の前で走り込み。5分7秒を記録し、「オリンピック出場も夢じゃない!」と喜ぶ父親。
 ところがその夜、父親はローガンの目の前で車にはねられ死んでしまいます。母子家庭となり収入のなくなった二人は、郊外のおばさんの別荘を一時的に間借りすることに。オープンハウスの時は外出するという条件付きです。
 人生を立て直すべく遠路はるばるやってきた二人でしたが、スーパーでさっそくご近所さんと称する不気味なおばさんに絡まれます。「なにかあったら、私は森を抜けたところにいるから」。

全然ご近所の距離じゃない。

さすがアメリカです。

 無事引っ越しを終え、新しい生活が始まる二人ですが、ここでのリアルな母子の人間関係に注目ですね。無理に雰囲気を明るくしようとする母に疎ましそうな態度をとる反面、服屋で母が男に話しかけられているのを見て嫉妬したりと、思春期全開のローガン。若干イライラさせられますが、いい味出してます。

思春期男子が走る、凍える、震える!!

 さて、今作の最大の見どころはなんといっても、このローガンの震えっぷりにあるといっても過言ではないでしょう。
 家に誰かの気配を感じたローガン、ママの部屋へ行きうろうろして帰りません。「一緒に寝る?」と言われると待っていたかのように「うん!」。ビビってます。
 犯人に冷水をかけられた後は体中がブルブル震えはじめますが、どう考えても震えすぎです。寒いのか怖いのか、もう本人もわかっていないのでしょう。そんな中、ナイフを手にとり犯人襲来に備えます。しかし手元は相変わらずブルブル。絶対に勝てそうにありません

生まれたての子羊さながら。

低い声とのギャップが愛しいですね。

 よくガンガン戦う主人公が出てきますが、実際はそんなに戦えるはずがない、こんなもんですよね。このリアルな“震え”の演技には、なかなか引き付けられました。


鑑賞後の皆さんへ

※ここからはネタバレを含みます。

 いかがでしたでしょうか。

 “オチがない”という、驚愕のオチでしたね。

 伏線をあれだけ貼っておいて回収しないというのも逆に珍しいのではないでしょうか。良く捉えれば“考える余地がある”とも言えますし、最後の5分間で無理につじつまを合わせようとしてくる映画よりは、潔さを感じさせます。

 不動産会社の男がおびえて出てきたのは?マーサやクリスがあの家にこだわった理由は?コンタクトを外し彼を逃がした犯人の真意は?そして父の亡霊はいったいなんだったんでしょうか??

 作品が終わった後に考えさせられるのは好きですが、この映画の残す問はなんとも浅く……たぶん真意など何もないんだろうなという感想が残ってしまいました。

 ちなみにフィルマークスで「そもそも犯人誰だったの?」というレビューをたくさん見ましたが、犯人はオープンハウスの時に一瞬映り込んだ靴の男です。最後の描写からすると、オープンハウス中の空家に住み着き転々としている不審者のようです。身近な誰かとかではないので、深く考えないでいいと思います笑。


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ではまた次回、お会いしましょう。

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